その猫、取り扱い注意
イツキくんの存在と周囲の反応。
ユミちゃんは完全にふっ切れた訳じゃなく、僕に流されたといったほうが正しいかな。
だから、不安なんだ。
時々見せる僕の知らない表情がまだイツキくんを引きずっているんだと言われているようで。
「今日もチアキくんかっこいいよね」
「急にどうしたの?」
「んんー。チアキくんと付き合ってるなんてみんな驚くだろうなって」
「……そうだね」
皆が皆、歓迎してくれると思えなくて苦笑する。
僕の微妙な反応に気付いたのか、彼女は視線を落として地面の石を蹴る。
すると、その時。