その猫、取り扱い注意

否定できない気持ち






あたしの彼氏は大胆です。


どれくらい大胆かっていうと学校の廊下でキスするくらい。



「キス、しちゃった」



真っ赤な顔を両手で挟みながら、その場にしゃがみ込む。


ぽつりと呟いた言葉を聞く人は誰もいない。


だって、あたしはあの場から逃げて裏庭へやって来たんだから。


チアキくんがどういうつもりでキスしたのか分からないまま、ここに来てしまった訳で。


余計、教室に戻りにくくなってしまった。


帰ったら皆に質問攻めされそうだしチアキくんのファンから何か言われそうだし。




< 49 / 105 >

この作品をシェア

pagetop