その猫、取り扱い注意
注意事項4
何もできない自分が歯痒い
あたしの周りは修羅場。
なんていうか、昼ドラでありそうなドロドロの雰囲気。
見てるこっちまで気分が下がる。見なきゃいい話だけども。
「あのさ、ハヅキ」
「何?ナツキと同じこと考えてると思う」
双子のハヅキに話しかけると流石双子というか、彼もあたしと同じことを考えていたらしい。
ちらりと視線を彼女に落とす。机に顔を伏せたまま、動かない彼女。
大丈夫かな。全くの他人事だけど友達だし何とかしたい。
でも、四角関係となると縺れた糸がなかなか解けないのと同じでこれがまたややこしいのね。解決しようがない。
「ユミを助けたい…」
「意外。ナツキがそんなこと思うんだ」
「失敬ね。あたしを誰だと思ってるの」
「鬼の目にも涙っていう諺知ってる?」
「なんで鬼。殴るよ」