その猫、取り扱い注意
「なにこれ酷い!」
「なら、早く解け」
赤字で書いてたのはアドバイスじゃない。単なるあたしの悪口だ。
ブスって書かなくても自覚してますよー。
ぶつぶつと文句を言いながら同じ問題に目を向ける。
「あっ」
ここで移項するんだ。それでXが左辺に来て方程式を解けば…。
「できた!」
「ん、本当だ」
喜びのあまり立ち上がってイツキくんに抱き着く。欝陶しいと言いながら、イツキくんの顔はまんざらでもなさそうで。
「ご褒美」
ちゅ、と不意打ちに額に押し付けられた唇。
やっぱり携帯小説の定番のシチュエーションだった、なんて倒れる寸前に思った。
振 り 回 さ れ ま す
( 猫みたいに気まぐれです )