その猫、取り扱い注意

想いに休止符





あたしの彼氏は人気者です。



『チアキと別れてよ』



数分前の出来事を思い出して、あたしは机に顔を伏せた。


なんで…今更。


あたしは別れたくなかった。今でもずっとそう思ってる。チアキくんに申し訳ないけど別れたことを後悔している。


いつだってイツキくんは冷たいけどなんだかんだいって優しかった。


涙がじわりと目に溜まる。誰にも顔を見られないから泣いてもいいんだ。


でもイツキくんを想って泣くのはチアキくんの気持ちを裏切っているような気がする。



「ユミちゃん」



何度も誰かに呼ばれていたけど、あたしは授業が始まるまでずっと机と睨めっこしてた。




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