その猫、取り扱い注意




いつも通りチアキくんの周りには女の子が囲んでいてチアキくんの行動や言葉に黄色い声を出している。


変わったことはない。


それなのに。



「チアキくん帰ろーっ」


「はい」



イツキくんがいるこの学校から早く帰りたかった。とにかくチアキくんと二人でいないと気持ちが変わってしまいそうで怖い。


イツキくんなんて嫌い。


チアキくんに手を握られながら何度も頭の中で繰り返す。


だけど、何度も反対のことを言おうとしてしまう自分がいる。


イツキくんが好き。


そのたびにぎゅうっとチアキくんの手を握り返す。


どんなに綺麗な顔の彼でも男の子なんだと感じさせる…ごつごつした大きな手。


いつもあたしを助けてくれたチアキくん。


裏切れるはずがない。


たとえ、あたしはイツキくんが好きでもこの気持ちは封印しないといけない。



想 い に 休 止 符

( 空回りしてるなんて思わなかった )





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