その猫、取り扱い注意
とにかく、走れ
俺の元カノは最低。
今日はユミにちゃんと話をしてけじめをつけようと思った。
だから、ナナを先に帰らそうと低血圧なのに朝早起きして、ナナの家まで迎えに行くなんて馬鹿みたいなことをして了承を得た。
意外にすんなりと俺の"用事"を受け入れるこいつに疑いの眼差しを向ける。
いつもより聞き分けがいい。ナナらしくない。
絶対に裏がある気がしたが、絶好のチャンスを手に入れたのには変わりなかった。
「イツキ」
「なに」
教室に入ろうとした時、シャツの裾を掴まれた。
なんだろう。