その猫、取り扱い注意
注意事項5
助けてと心が叫ぶ
あたしは絶体絶命のピンチです。
ずらりと並ぶ女の子達。
こういうのは慣れてるほうだ。チアキくんの幼なじみっていうだけで呼び出されたこと何回もある。
だから、今回も隙をついて逃げれば大丈夫。
ひやひやと重苦しい空気が漂う体育館裏。
何回も呼び出しされた中でも今回のは人数が多すぎる。流石に自分の中の防衛本能が危険だと告げている。
やばい。足が震える。
必死に平常心を装いながら、掠れた声で言葉を紡いだ。
「な、何の用ですか」
「今更それ聞くのー?」
「は、はい。聞きます」
「んー。特に用はないんだけど、あんたムカつくよ」