その猫、取り扱い注意

それでも譲る気ねーよ





俺の元カノは嘘つき。


一人対集団なんて卑怯なことは嫌いだ。


ナナが仕出かしたんだろう。


"これ"が起きない為に俺はユミを裏切った真似をしたのにふざけてる。


怒りのあまりか走るスピードも普段より速い気がする。


むかつく。なめられたもんだと思う。


今はナナに苛ついてる場合じゃない。それより、ユミが何処に拉致られたかだ。


恥ずかしいことに冷静さなど今の俺には浮かび上がらない言葉。



「イツキくん待って」


「チアキ、お前」


「こういうときは二人で探したほうが早いよ」


「…ん。わかった」




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