その猫、取り扱い注意
ユミちゃんに気づかれないように草むらで待機している彼とアイコンタクトした。
僕の役目はこれでおしまい。
後はイツキくんに任せる。二人で話し合って答えを出してほしい。
それが自分にとって良い結果じゃなくても、僕は受け入れなければいけない。
その時は、笑っていられるだろうか。
「え、えと。チアキくんどういうこと…」
「彼から聞いたほうが早いかもね。とりあえず、イツキくんのところに行って?」
握っていた手の力をゆるゆると緩めて、名残惜しい温もりを離した。
最後に離れた手がイツキくんによって握られていたのを見て、僕は来た道を戻る。
これでいい。
いいんだよ。
後悔なんて、するな自分。
本当は、離したくない
(切なくって死にそうです)