その猫、取り扱い注意

誰よりも優しい君





あたしの元カレは……。


一体どういうことなんだろうか。あまりに突然のことで状況が把握できない。


イツキくんに触れられている手がなんだか懐かしくて涙が出そうになった。


無言で歩くイツキくん。


ちゃんとあたしの速さに合わせて歩いてくれている。


優しくしないで、イツキくん。


イツキくんも助けてくれたって勘違いしそうになるから。



「…ユミ」



久しぶりに聞いた彼の声。




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