その猫、取り扱い注意
物欲しげな顔をして見つめる先にはイツキくんの大好きなから揚げ弁当を食べる女の子のグループ。
でも無いんだから少しは我慢して欲しい。嫌いな野菜も少しは食べて欲しい。
「イツキくん」
「何」
「こっち向いて」
「なんで、…んぐっ!」
言いかけた口に無理矢理野菜をほうり込む。噛むのも嫌なのか青白い顔のイツキくんは水を要求した。
今にも吐き出しそうだったからお茶をあげると顔色が一気によくなった。
リトマス紙のようにころころ表情が変わる彼を見ていたら急に口を塞がれて。
「おあいこ」
ぺろりと舌を見せて、満足そうに微笑んだのであった。
躾 は 厳 し く 行 い ま す
( 時には甘やかすことも大事 )