その猫、取り扱い注意
「メイちゃんあたしもクロ探し手伝うよ」
「ほんと?ユミちゃんだーいすき」
「メイちゃんは早くお家に帰らないとママが心配しちゃうから帰りなよー」
そう言ってからチアキくん家周辺を歩き回る。
妹思いだなぁ。
やっぱりチアキくんは優しい。外がこんなに暗くなってきてるというのに。
さっきクロがいたのは偶然だったのかなかなか見つからない。もう見つけたのかな。
肝心なときに見つからないものだ。
「あ」
ゆらゆらと動く黒い尻尾。まさか…クロ?
そーっと近づいてがばっと両手でクロを捕らえようとした。
「…チアキくん」
そこには会いたかった人がいた。
驚いた顔をした君
(お互い同じことを思っただろうね)