その猫、取り扱い注意
隣にあいつがいるのなら
俺の彼女は一人だけ。
シャワーを浴びながらぼんやりと今日の出来事を思い出す。
なんていうか。
他の誰でもない、ユミじゃなければ俺は駄目みたいだ。
ナナと付き合ってた頃とは気持ちの強さがまるで違う。守りたいと思う気持ちがこみ上げてくる。
思ってるだけじゃ、守れないけど。
なんてキモいことを語れるようになってしまったのもユミのせいだと言っておこう。
風呂から出た後、携帯から着信があった。
髪が濡れているのも気にしないで電話に出る。
『もしもし』
『どした』
『…うん。電話したかった』
『あっそ』
声が聞けてほっとした。