あなたが居たから…
でも友達にそんな仕事知ってる子なんている訳ない。まだ16歳なんだから…。その時1人頼れるかもしれない人の事を思い出した。あたしは一枚の名刺を握りしめ家を出て、公衆電話から、その名刺に書いてある電話番号を押した。そして繋がった電話に向かって『岩本さん居てますか?』と聞いた。しばらくして『もしもし、誰!?』『あたし惠です。タイジくんの友達の…』『あぁ あん時の、ところで何?』『あたし 仕事探してるんです。稼げる仕事紹介してください。お願いします』『おまえ正気か?俺に稼げる仕事頼むって事は、どんな仕事かわかってんゆうとんのか?自分で何ゆうてんのかわかってんのか!』『はい。わかってます。お願いします』それを聞いて本気であるという事をわかってくれたのか『まぁ、1度逢って話しよや。今日逢えるか?車で迎えに行ったるから、場所言え』あたしはその問に地元の最寄り駅の名前を言った。
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