あなたが居たから…
夏休みが終わって始業式の日あたしは免許も取ったし、授業もないから、車で学校に行った。車は学校の近所の空き地に止めて、そこから歩いて学校に向かった。あたしが歩いてると後ろから『あれ おまえの車すげーな!いいな!』振り返るとそこには学年は一緒だけど、1歳年上のタケシがいた。タケシは暴走族やってるのに学校では真面目で、頭はパーマかかってるけど、人懐っこい性格でみんなから好かれていた。『おまえってすごいな!俺1歳年上なのに、まだ車の免許ないのに!』って話しかけてきた。あたしは『馴れ馴れしく《おまえ》って言わないでくれる!』って高飛車な態度をとった。でもタケシは懲りずに話かけてくる。『あたしには惠って名前があるの!』って言ったら『じゃあ惠。今日車の横乗せて!』って笑ってきた。それまでしゃべった事もなかったのに、まるで友達扱いだった。