あなたが居たから…
着いた場所は2階建ての小さなアパートだった。『タケシ。ここに住んでるの?』『うん、男友達と一緒に』そう言って単車にロックしてカバーを掛け、2階へと上がる。一番左端の部屋がタケシの部屋だった。カギを開けて中に入って電気をつけると、小さいけど料理できるキッチンがあった。そして隣のドアがお風呂で、6畳2間でベランダにトイレがある部屋だった。ベランダにトイレって…。って思ったけど、2人で住むには丁度いい広さだと思った。キッチンの次の部屋がタケシの部屋で閉まってるふすまの向こう側が友達の部屋だった。トイレ行きたいけど、友達の部屋を抜けないとベランダのトイレには行けない。『あの~トイレ行きたいんだけど…、友達大丈夫かな?』タケシはふすまを少し開けて中を覗いた。『大丈夫。今日帰ってないみたい。彼女んとこだろ』って言った。と、言う事は部屋にタケシと2人っきりって事。考えると胸がギュッと痛くなった。