あなたが居たから…
あたしが泣いてるのに気付いたタケシはあたしの方に寝ている向きを変えてくれた。そして『泣くな』って優しく指で涙を拭ってくれた。あたしはタケシに聞いた『タケシ…なんであたしを抱こうとしないの…』『あたしが汚れてるから…?』そしたらタケシは『惠は汚れてなんかないよ。それに惠を抱こうと思ったら、俺は男だし、惠より力もあるから、無理矢理、惠を抱く事もできる。俺には惠の考えてる事はわからないけど、でも、そうゆう事は本当に好きな人とする事だと俺は思う。もっと自分を大切にしろ。惠が自分自身の事大切にしてたら、本当に惠の事を大切に思ってくれる人が現れるから、これ以上自分を傷つけるのはもう止めろ。わかった?』って泣いてるあたしを抱き寄せて、頭を撫でてくれた。《もう 止めろ》あたしはその言葉を求めていた。誰かに自分を止めてもらいたかったんだ。
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