あなたが居たから…
あたしは『待たせてごめんねぇ』って走ってヨシミに近寄った。そしたらヨシミは『遅かったじゃん。何してたの?』って聞いてきたから、『オシャレしてたら遅れた』って答えた。そしたら『どのへんオシャレしてきたの』って笑って聞いてきたから、あたしも笑っちゃった。よくキヨシにもおちょくられて、笑い合ってたなぁって、また思い出した。でもあたしが今一緒に笑ってるのはキヨシじゃない。何でもキヨシの事思い出して比べてしまう。勝手に別れられる前から逢わなくなって、別れた後も1度も逢った事がないから、もうだいぶんたつ。でもあたしはキヨシの事引きずりっぱなしだった。引きずったまま今はヨシミと居る。ヨシミが原付のエンジンをかけて、あたしが後ろに乗ったら、原付は勢い良く走り出した。この後何が起こるかも知らずに…。