あなたが居たから…
絶望と希望
そしてヨシミは工場から出て行った。工場に残されたのは、あたしとキヨシ。なんともいえない空気と沈黙が続いた。そして沈黙をやぶったのは、キヨシだった。『早く服着ろ』そう言われてあたしは全裸だった事に気付いた。キヨシに傷だらけの体、とくに火傷している胸を見られないように服を着た。着たといっても、ブルゾンとスカートは大丈夫だったけど、中に着てた服と下着は原型をとどめてなかった。だから下着はポケットに詰め込んだ。そして立ち上がろうとした時。あたしの太ももをなにかがつたって流れた。それをあたしは手で触って確かめた。手に付いたものは白い液体とそれに混じった血だった。確実にあたしの体の中から出てきてる。中出しされてた。それを見たらいきなり体が震えて怖くなった。中で出されたって事は赤ちゃんできちゃうって事。あたしの頭は混乱した。どうしたらいいんだろ。誰か助けて!あたしはキヨシの横を通り抜け、工場を飛び出した。
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