わがままハーブティーはいかが?



「西島、起きてたの?」


「はい。起きていました。あの状況で普通なら眠れないかと・・・」


西島は少し困ったように微笑んだ



「じゃあ、どうして回答してくれなかったの?」


「それは・・・回答しない方が良いかと思いまして、」



回答しない方がいい?
どうして?

私のことを聞いているのに教えてくれないの?



「それからお嬢様は就寝されました。わたくしは就寝されたのを確認し、本当ならば部屋から出るつもりでした。ですが、そのときお嬢様はわたくし腕を掴んだのです」



「は?ちょ!ちょっと待って!この私がそんなことするわけないじゃない!そ、そんなに言うなら証拠だしなさいよ!証拠!」



すると、西島は私に右腕を差し出した

西島の右腕は誰かに掴まれたと思われる真っ赤な痕が残っていた



「これでお分かり頂きますでしょうか?」


西島が嘘をついているようには到底思えない
それに、これまで約束を破ったこともない


西島は私が寝たら部屋を出て行くつもりだったんだ


律儀な西島に少し申し訳ないと思ってしまった





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