ヒールを履いた猫
「だけどモモ様の肉球はとても柔らかいですから、少しのお時間でも痛むのではないかと……このショウマ、心配でなりません」
眉を下げ、潤んだ瞳でわたしを心配そうにショウマは見つめる。
ショウマの瞳はわたし達みたいに虹彩が細くなったりしないし、夜に光ったりしない。
でも、とても表情が豊か。
「踵の高い靴は思うより足に負担をかけます。美しいモモ様の丸みを帯びたおみ足の形が変形したり、真っ白な爪が歪んで変色すり可能性があるのです──それを考えるとこのショウマ胸が潰れそうに……」
切なそうに胸を押さえ、今にも涙が溢れそうな茶色の瞳がわたしを捕らえる。
そんな瞳で
そんな顔で
わたしを見ないでーーー!
胸のバクバクが止まらない~!
ああん! どうしてなの?
わたしは猫族
ショウマは人間
身分どころか種族も違うのに、どうしてわたしの胸は恋をしたようにドックドックと激しく動くの!
確かにショウマは人間の中では『イケメン』と言う部類に入るわ。
しかも、きちんとしつけを受けた、その辺の雑種とは違う。
でも、猫とは美的感覚が違うはずなのに。
猫族のイケメンじゃなくて、人間のイケメンにどうして胸がときめくの!?
落ち着いて、落ち着くの。
錯覚かも知れないのよ。
猫族の間だってあるじゃない、発情期にはどんなブス猫だってゲス猫だってブタ猫だって、きらめく超イケてる美猫に見えるじゃない。
それと同じだわ。
時間が経てば、美的フィルターが無くなってただのイケメンに見えるのよ。
眉を下げ、潤んだ瞳でわたしを心配そうにショウマは見つめる。
ショウマの瞳はわたし達みたいに虹彩が細くなったりしないし、夜に光ったりしない。
でも、とても表情が豊か。
「踵の高い靴は思うより足に負担をかけます。美しいモモ様の丸みを帯びたおみ足の形が変形したり、真っ白な爪が歪んで変色すり可能性があるのです──それを考えるとこのショウマ胸が潰れそうに……」
切なそうに胸を押さえ、今にも涙が溢れそうな茶色の瞳がわたしを捕らえる。
そんな瞳で
そんな顔で
わたしを見ないでーーー!
胸のバクバクが止まらない~!
ああん! どうしてなの?
わたしは猫族
ショウマは人間
身分どころか種族も違うのに、どうしてわたしの胸は恋をしたようにドックドックと激しく動くの!
確かにショウマは人間の中では『イケメン』と言う部類に入るわ。
しかも、きちんとしつけを受けた、その辺の雑種とは違う。
でも、猫とは美的感覚が違うはずなのに。
猫族のイケメンじゃなくて、人間のイケメンにどうして胸がときめくの!?
落ち着いて、落ち着くの。
錯覚かも知れないのよ。
猫族の間だってあるじゃない、発情期にはどんなブス猫だってゲス猫だってブタ猫だって、きらめく超イケてる美猫に見えるじゃない。
それと同じだわ。
時間が経てば、美的フィルターが無くなってただのイケメンに見えるのよ。