。゚。SUMMER ROAD。゚。【完】


『かまへんよ。気にせんといて



爽やかな笑みを浮かべる男の子。


今さら気づいたのだが、関西弁でしゃべっているようだ。



『…えっと…なんかお礼…』



あたふたとする私。



そう言えば、ポケットに120円なら入ってたのを思い出した。




『あ、あの…お礼にジュースおごります。何がいいですか?』




自販機の前に立つ私に男の子は、驚いたように目を丸くしていたが、次の瞬間…吹き出していた。



『…ぷっ!…くくっ、君おもろい。おもろすぎる!いいキャラしとんな!』



肩をふるわせて笑いを堪える彼にバカにされたように感じたのは私だけだろうか?



『……じゃあ、お言葉に甘えて…』


ようやく、笑いを押さえた男の子は、ピッと自販機のボタンを押した。



『…君は何が好きなん?』



自販機から出てきたジュースを手にもちながら男の子は、そんなことを聞いてきた。



『え?私ですか?何でも好きですけど…』




そう言った次の瞬間、



ピッ




ガタンッ




『…じゃあ、無難にお茶でええ?』



気づいた時には、彼は、すでに私にお茶を差し出していた。




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