。゚。SUMMER ROAD。゚。【完】
『…如月美夏…高1です』
ボソッとそう呟いた。
『美夏ちゃんて言うんや。よろしゅう。オレのことは、ヒロでええで!』
『あ…はい…』
『…ぷっ…何で敬語?同い年なんやからタメ口でええよ?』
ヒロは、笑い上戸なのかもしれない。
さっきから笑ってばっかりだ。
『あ…はい…じゃなくて…うん』
『うん。やっぱし、そっちがええよ。……てか、美夏ちゃん、今さらやけどそのケガ大丈夫…なん?めっちゃ痛そうやけど…?』
心配そうな顔で私の足元や手を見つめるヒロ。
『あっ、そう言えば…私ケガして…っ!!』
…さっきまで、痛くなかったのに…今さらかなり痛みが増してきた。
『…大丈夫…じゃなさそうやな…?ひとまず、消毒せな…。オレの知り合いの家すぐそこやねん…救急箱借りよ。』
ヒロは、そう言うと、私をひょいと軽々だき抱えた。
『え?いや、いいよ…歩けるから!てか、重いからおろして!!』
あまりの恥ずかしさに顔が火照るのを感じた。絶対今、顔真っ赤だろうな…私…。