。゚。SUMMER ROAD。゚。【完】
『ん?どうかしたん?』
苦笑いを浮かべる私を相変わらず、ニコニコとした顔で見つめるヒロ。
ヒロ…顔怖い…
口元に不適な笑みを浮かべるヒロの視線を感じた。
『あっ!そう言えば…ヒロって元は関西の人なんだよね?麻弥さんもしゃべるときに、時々関西弁入るし!』
私は、話題を変えようと一生懸命に麻弥さんに別の話題をふってみる。
『え?えぇ。そうなの。やっぱり癖ってなかなか抜けないものねぇ〜私たちは、元は大阪出身なの』
『大阪か〜いいな〜行ってみたいかも』
話が変わったことに安堵した私は平気でこんなことを口に出していた。
この時、ヒロがニヤリと笑みを浮かべていたなんて…この時の私は思いもしていなかった。
『なに?美夏ちゃん、大阪行きたいん?遊びにくればいいやん?オレ、大阪案内したるで?』
え?
『あ、うん。そだね…でも、今年は、忙しいからまた今度の機会にするよ…うん…』
突然のヒロの言葉に私は、動揺を隠せなかった。
『…そっか。残念やな〜。』
本当に残念がっているのだろうか…?
『うふふ、ヒロちゃんったら、亜美に美夏ちゃんとられないように気を引くのに必死なのね〜』
麻弥さんは、かわいらしい笑顔を向けながら、そんなことを言う。
私は麻弥さんに、あはは。と苦笑いを浮かべた。
『あっ、美夏〜!!オレも遊ぶ。なぁ、みかんと散歩に行きたい。ねーいいでしょ?』
すっかりみかんと仲良くなった陸くんが私の腰あたりに抱きつきながら首を傾げる。
…かわいすぎだって!!
『うん、いいよ〜。いつにしよっか?』
『え〜じゃあ!明日、明日行こう!』
明日か…いきなりだけど…どうせ予定もないしな…。
『わかった〜じゃあ明日行こうね〜』
私がニコリと陸くんに笑いかけると、
チョン、チョン
と、亜美ちゃんが私の袖を引っ張って…。
『亜美も』
かわいらしい笑みを浮かべた。