。゚。SUMMER ROAD。゚。【完】
ヒロを見た瞬間、顔から火が出るんじゃないかってくらい熱くなった。
『ほら、あっちにかき氷あったで、美夏ちゃん?かき氷買いにいこ?何味がいいん??』
もうを完全に利也を無視したヒロは、私の手を引っ張りながらかき氷の屋台へ向かっていた。
『ちょっ、待てよ!!』
後ろからそんな利也の悔しそうな声が響く。
しかし、ヒロは見向きもしないで私を見ていた。
優しい表情で。
『…いちご…練乳もかけたやつ…』
ポソッと、呟いた私。
『了解!いちごミルクな!』
嬉しそうに私を見るヒロに私も自然と笑顔がこぼれる。
『ヒロ……ありがとう…』
そう言って、私は、ギュッとヒロの手を握った。
――パァァァン
その瞬間、空に花火が打ち上げられ始めた。
『うわっ…』
久しぶりに見た花火は、今まで見たどれよりもキレイに感じたのは…なぜだろう?
『…キレイやな…』
そう言ったヒロは、とても嬉しそうで…。
私まで嬉しくなった。