。゚。SUMMER ROAD。゚。【完】


『…え?』



ヒロに引っ張られた私は、引きずられるようにドアをくぐり外に連れ出される。



『あっ!ヒロ!!てめぇ〜!』



『はいはい…遥は、言いたいこと言ったでしょ?今度は、ヒロちゃんの番よ』



叫ぶハルカくんを里奈さんが後ろから押さえつけ不適な笑みを浮かべていた。







――…




誰もいない浜辺をヒロと2人きりで歩く。



しかし、ヒロは、さっきから黙ったままで…。




『ヒ、ヒロ??』




私の呼び掛けにようやくヒロが振り向く。





…その時のヒロは、何かを決意したような…そんな表情を浮かべていた。




『……ごめん、やっぱ、無理やわ…誰にも渡したくないんや…わがままでほんま、ゴメン…』




『…え…?』




『オレ…美夏ちゃんのこと…好きや…ずっと…出会ったときから…好きやった』



ドキンッ



ヒロは、そう言って私を抱き締めた。



『……』




どうしよう……心臓壊れそう…




ドキドキと、高鳴る心臓の鼓動が今にも聞こえてしまいそうだった。



『……ハルカにもやりたないねん……美夏ちゃん…オレのことだけ見てくれん…?』



不安そうな切なくなるような表情のヒロに胸がしめつけられた。




…そんな辛そうな顔しないで…




気付いた時には、私からヒロを抱き締めていた。





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