。゚。SUMMER ROAD。゚。【完】
『…オレ…今人生で一番幸せかもしれん…』
『ふふ、私も』
ポツリとそんなことを言うヒロがとてもかわいらしく感じた。
『…そろそろ、戻ろうか…皆心配してるやろうし…』
そう言って、ヒロが私に手を差し伸べる。
『うん…』
私も素直に自分の手をヒロの手に重ねてギュッと、握り締めた。
―――――――
『ふふ、おめでとう。ヒロちゃん、やっと通じたわけね?』
家に戻ってきた私たちを麻弥さんが嬉しそうに見つめた。
『あぁ、いろいろ、ありがとな、おばちゃんには、感謝しとるわ』
『ってことは…遥は、ふられたわけか…まぁ、だいたい予想は、ついてたけどね〜、あっ、美夏ちゃん、今はそっとしておいてあげてね…』
里奈さんが、少し残念そうにそうもらした。
と、その時。
『…ば〜か…母さん、オレそれくらいじゃ、へこたれないっつ〜の!ヒロ!今は、美夏のことあきらめるけど…まだ完全に諦めたわけじゃないからな!!美夏泣かせたら許さないからそのつもりで』
少しだけ赤い目をしたハルカくんがにこやかにそう言った。
『ふっ、上等や』
『ハルカくん…』
『美夏、もう少しだけオレにもチャンス頂戴よ』
『うん…ありがとう…』
私もニコリと微笑んで頷いた。
…ハルカくん、ありがとう…