春をありがとう*2*


「日向よね?小澤 日向、そうよね?」

「・・・違うよ」


彼はサラッと言った。


「え・・・?」

「俺は小澤って名字じゃないよ」

「うそ・・・」


私の中で何かが消えた。


「うそよね?日向・・・私、11年待ったんだよ?その目も笑顔も私の知ってる日向じゃないん?」

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