春をありがとう*2*
ごまかす翔太。
でも、なんとなく翔太の思ってること分かるよ。
生まれた時からずっと一緒の翔太と歩美。
何だか複雑になるんだよね?
自分に彼女がいるとかいないとか関係なく、そう思っちゃうよね?
「…ここは?」
そう言って翔太が立ち止まったのは…
私が翔太に病気のことを打ち明けた場所。
「覚えとったん?」
「当たり前!」
得意気に笑った翔太。
カランカラン…
「いらっしゃいませ~」
店員さんの心地良い声が心に響く。