春をありがとう*2*
やっと言えた…!
ずっと“ありがとう”って言いたかった。
電話でも手紙でもなく、面と向かって言いたかった。
「何か照れる…」
翔太はそう言って俯いてしまった。
「そうやね…でも、伝えられて良かった」
「うん」
“伝える”ってこんなにも大切なことなんだね。
「お待たせ致しました。オムライスになります」
ちょうどオムライスがやってきて、私たちはおいしく頂いた。
そのオムライスは前にも食べたのに、特別な味がした。