春をありがとう*2*
「小澤さん、この学校って陸上部ある?」
なんで私に聞くのかなぁ…。
休み時間、必ずと言っていいほど曽我部 日向は私に話しかけてくる。
「曽我部くん、今美春は私と話しよんよ。わかっとる?」
歩美がご立腹ですよ…。
「ねぇ、美春…」
歩美の顔色が変わった。
それもそのはず。
私は発作を起こして、過呼吸と頭痛に襲われていたから。
「小澤さん…!?」
オロオロしてる曽我部 日向とは対照的に、歩美は片手で私の鼻と口を紙袋で覆い、片手で私をおんぶして教室を飛び出した。
「美春!?」
2組の教室から翔太が出てきて追いかけてきたけど、意識が朦朧としていてよくわからなかった。