春をありがとう*2*

「…佳苗さん?」


目が覚めると病院にいた。


「久しぶりね。随分苦しんでたみたいだけど…」


そう言って佳苗さんはドアを開けて

「もう大丈夫よ」

と言った。


病室には歩美と翔太が入ってきた。


「ごめんなさい…私…」

「何で謝るん?美春は何も悪くないやろ?」


歩美が優しく頭を撫でてくれる。


「ちゃんと休め。もう倒れんな」


翔太も無愛想だけど優しさが伝わってくる。

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