春をありがとう*2*
私は職員室を出た後、1組の手前の2組の教室に入った。
「…翔太」
私は机に突っ伏して寝ている翔太をつついて起こした。
「美春…どしたん、めずらしい」
そう、自分から翔太の元に出向くのは私にしては珍しい行動。
「うん、昼休み、大事な話があるけん」
私が言うと翔太は顔を引きつらせた。
「まさか…別れ話?」
私は今は本気であきれた。
「馬鹿…違うけん」
私は全力で否定した。
「良かった…うん、了解!」
私は翔太が敬礼したのを見て、ようやく教室に戻った。