春をありがとう*2*


「美春!」

「はい!」

「体調悪いか?さっきからボーっとして…珍しいな」


授業中にも気になって、先生に心配される始末。


「大丈夫です。ちょっと寝不足で…」

「そうか?ちゃんと家では寝ろよ?」

「はい…」


先生が通り過ぎてから曽我部 日向の方を見ると、口パクで「ごめんね」って言っているのが分かった。

謝るくらいならそんなことを言わんどいてほしいし…。

私は何の反応も示さず前に向き直った。


「何かあった?」


休み時間も歩美に心配された。


「ん…大丈夫じゃないかも」


これは本心。


「だって美春、何かありましたって顔しとるもん。そりゃあの頑固親父の象徴みたいな先生だって心配するよ」


そんなに顔に出とんやろか?


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