春をありがとう*2*
「出とる」
へ?読まれた?
「安心して。私にそんな能力ないけん。ちゃんと声に出しとったよ」
うそや…。
私、とうとうそこまでいっちゃった?
「美春!」
「わ…太一!何か久しぶり…」
「学年変わってから会ってなかった気するしね」
「で、翔太がどうかした?」
太一が純粋に私に用事があって来ることはまずないと思う。
「さすが…鋭いねぇ」
「当たり前!」
私はピースして見せた。
「宿泊学習に行きたくないって…」
「え…それ本気で言いよん?」
歩美が聞き返した。