春をありがとう*2*


「ううん、母方のいとこ。お母さんの妹」

「苗字は一緒なの?」

「6歳の誕生日に両親とお兄ちゃんとお姉ちゃんを亡くしたけん」


曽我部 日向は少しだけ顔を歪めた。


「それで…」

「それで、去年母方のいとこの家の養子になった」


最初はお姉ちゃんって言われて戸惑ったっけ?


「そのいとこは?」

「両親を亡くした時、私と一緒に病院に運ばれたけど…」


私は一呼吸おいた。


「おらんなった」


そう、9年前の今頃だよ。


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