春をありがとう*2*


「ねぇ、逆に聞くけど」


私は曽我部 日向の目をまっすぐ見た。


「家族といつから一緒におるん?」

「小3…」


私は耳を疑った。

てっきり、分からないって返ってくると思ったから。


「小2までは施設で暮らしてた」

「じゃあ…施設にはいつ入ったん?」


曽我部 日向は首を横に振った。

今度こそ覚えてないんだ。


「これ…このネックレス、見覚えあるって言ったよね?」


私は鞄につけてあるネックレスを指した。


< 69 / 117 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop