春をありがとう*2*
「ねぇ、逆に聞くけど」
私は曽我部 日向の目をまっすぐ見た。
「家族といつから一緒におるん?」
「小3…」
私は耳を疑った。
てっきり、分からないって返ってくると思ったから。
「小2までは施設で暮らしてた」
「じゃあ…施設にはいつ入ったん?」
曽我部 日向は首を横に振った。
今度こそ覚えてないんだ。
「これ…このネックレス、見覚えあるって言ったよね?」
私は鞄につけてあるネックレスを指した。