春をありがとう*2*
「美春の誕生日に行った遊園地、美春にあげたネックレス、この病院を抜け出した時のこと、両親と…まだ生まれてない太陽のこと。全部思い出した」
私は泣いていた。
両手で口を覆って俯いて泣いていた。
「やけん…許してとは言わん。けど、聞いて欲しいことがある」
方言の日向。
戻って来た。
小澤 日向が戻ってきたんだ。
「…言えよ」
口を開いたのは私ではなく翔太。
私の気持ちを代わりに言ってくれたんだと思う。