春をありがとう*2*


「美春の誕生日に行った遊園地、美春にあげたネックレス、この病院を抜け出した時のこと、両親と…まだ生まれてない太陽のこと。全部思い出した」


私は泣いていた。

両手で口を覆って俯いて泣いていた。


「やけん…許してとは言わん。けど、聞いて欲しいことがある」


方言の日向。

戻って来た。

小澤 日向が戻ってきたんだ。


「…言えよ」


口を開いたのは私ではなく翔太。

私の気持ちを代わりに言ってくれたんだと思う。
< 76 / 117 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop