春をありがとう*2*
翔太の家に泊まるのは高1の宿泊研修の前日以来。
あの頃の私は壊れそうだったんだ。
「美春、私の部屋で寝て良いからね?いっぱい話そ!」
歩美はそう言ってくれた。
「美春は翔太のどこが好きなん?」
翔太のお父さんは私のことを“美春”って呼ぶ。
「え…あの…」
「お父さん!美春ちゃん困っとるよ…」
翔太のお母さんが笑いながら言った。
私は翔太の…そうだ。
さりげなく優しいとことか、ありのままの私を受け入れてくれる所に惹かれたんだ。