春をありがとう*2*
「太陽!」
私は止めに行こうとしたんだけど、肩に重みを感じて行けなかった。
肩にはお父さんの手が乗せられていて…。
お父さんは泣いていた。
「お父さん…」
「…うん」
私は何も言えなかった。
「バカ…バカ…」
「…ごめん」
ずっと“バカ”って言ってた太陽を日向は抱きしめた。
「ごめん…ごめんな?太陽」
その瞬間、私の中には何かが生まれて、涙が溢れた。
「お姉ちゃん…」
振り返ると、未来と希美が不安そうに私たちを見ていた。