春をありがとう*2*
「太陽と未来と希美の、もう1人のお兄ちゃん」
2人とも不思議そうな顔をした。
「私と同じ年なんやけど、6歳の時におらんなってしもてね…」
私はそこまで言ってやめた。
部屋の入り口に太陽が立っていたから。
「美春…」
太陽の目にはまだ涙がいっぱい溜まっていた。
「ん?」
「美春ぅ…」
太陽は私に抱きついてきた。
太陽がこうしてくるのは初めて。
今まで姉と弟らしい交流はほとんどしたことがなかったから。