春をありがとう*2*


「太陽と未来と希美の、もう1人のお兄ちゃん」


2人とも不思議そうな顔をした。


「私と同じ年なんやけど、6歳の時におらんなってしもてね…」


私はそこまで言ってやめた。

部屋の入り口に太陽が立っていたから。


「美春…」


太陽の目にはまだ涙がいっぱい溜まっていた。


「ん?」

「美春ぅ…」


太陽は私に抱きついてきた。

太陽がこうしてくるのは初めて。

今まで姉と弟らしい交流はほとんどしたことがなかったから。


< 96 / 117 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop