春をありがとう*2*


「もう…俺かまん?頑張らんでかまん?もうええ?」


私と同じくらいの身長の太陽が甘えてくれた。

私にとってはすごく嬉しかった。


「もうええよ…よう頑張ったね…お疲れ様」


太陽はずっと辛かったはず。

赤ちゃんの頃からお父さんとお母さんを見てきたから。


「もう大丈夫。太陽は日向の弟やけんね」

「うん…うん…」


太陽が私の前で泣いたのは今日が初めて。

きっと、10年以上我慢してきたんだ。


私は太陽の頭を撫でながらそう思った。


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