ハレゾラ
嬉し恥ずかし
食事も終え仲居さんが部屋の片付けを済ませると、入れ替わりに男性が二人
現れ、パパッと二組の布団を敷いてくれた。
「ごゆっくりどうぞ」男性がそう部屋から出て行くと、一瞬にして食事中まで
とは違う、何とも言えない雰囲気に部屋中が包まれる。
私はその状況に居たたまれなくなり、ササッと浴衣と下着の用意を整えた。
「じゃ……じゃあ、お風呂行って来るね」
そう言うと、彼の方も見ずに部屋から出て行こうと歩き出した。
「咲さん? どこのお風呂に行くつもり?」
縁側から外を眺めていた彼の、威圧感ある声が聞こえてきた。
「え? どこって……。大浴場だけど」
「この部屋には大きな露天風呂があるのに? それに僕の身体を濡らしちゃっ
た責任は?」