ハレゾラ

でもお風呂となると、何かと問題があるんだよね。
かと言って、このままでは埒があかないし。
上目遣いで彼の顔を見て、素直な気持ちを伝えてみることにした。


「ねぇ。こうして一緒にはいたいの。でもお風呂は……、明るいし……」


「明るいし?」


「身体に自信ないから……その……」


うわぁ~何言ってんだか私ったら。首に回していた腕を離し、顔を両手で隠す。
そのせいで私の全体重が彼にズシッとかかってしまい、彼はバランスを少し
崩した。


「おっとっとっ!」


「わぁ~やっぱり下ろして。重いでしょ」


「重くはないけど……。逃げない?」


「うん。逃げないから……」


彼は少し考えてから「じゃあ」と言って、私を下ろしてくれた。

でも、手が……。結構強い力で握られてるんですけど。
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