ハレゾラ
「見切り発車は反則! 私の話聞いてた? お風呂入ってからって言ったよね、
いい?」
それでもニヤニヤ笑ってる彼。
「さっきまでとは打って変わって、何? その偉そうな態度」
「だって私の方が年上だから」
「今更……」
今度は、呆れたような顔で笑ってる彼。
「まっいいか。早く入ってきて。じゃないと、またキスするよ。それに……」
「それに?」
「僕も咲さんを、もっともっと抱きたいから。もうあまり待てそうもない」
その声色から彼の欲情がはっきりと感じられた。彼も本当に同じ気持ちだった
ことが嬉しい。
私は足早に浴室に向かった。