ハレゾラ

「見切り発車は反則! 私の話聞いてた? お風呂入ってからって言ったよね、
 いい?」


それでもニヤニヤ笑ってる彼。


「さっきまでとは打って変わって、何? その偉そうな態度」


「だって私の方が年上だから」


「今更……」


今度は、呆れたような顔で笑ってる彼。


「まっいいか。早く入ってきて。じゃないと、またキスするよ。それに……」


「それに?」


「僕も咲さんを、もっともっと抱きたいから。もうあまり待てそうもない」


その声色から彼の欲情がはっきりと感じられた。彼も本当に同じ気持ちだった
ことが嬉しい。
 
私は足早に浴室に向かった。 
< 117 / 237 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop