ハレゾラ
愛されて愛する
結局私は、一睡も出来なかった。
寝よう寝ようと思っても、こう彼に抱きすくめられていては無理というものだ。
つい一時間くらい前まで、もう何度達したかわからないくらい彼に快楽を与えら
れ続け、私の身体はひどく敏感になっていた。
全身が痺れ、腕から指先まで全くもって力が入らないし、腰から下に至っては、
ぴくりとも動いてはくれない。
しかし、後ろから私を抱いて眠っている彼が少しでも動くと、肌と肌がこすれた
ところに電流が走り、思わず声を上げてしまいそうになる。
これではいつまでたっても寝れるわけがない。
でも、今の状態が嫌なわけではなかった。
確かに身体は言うことを聞いてはくれないが、それ以上に、彼がどれほど私を愛
してくれているのかということを、身体の細部にまで刻みつけてくれたからだ。
心も身体も彼の思いに満たされて、とても幸せな気分だった。
静かに寝息を立てて眠っている彼。
きっと彼もひどく疲れてるだろう。まあそれは、自業自得なのだけれど……。
どれだけ私が「もう無理」と言っても、「まだ大丈夫」と言って離してくれなか
ったのは彼なんだから。
そんなふうに思っていると、彼がわずかながら動いた。
身体中に電流が走り、身体のことから意識を外していた私は思わず「あぁ……」
と声を発してしまう。
しまったっ! と思ったときには、もう遅かった。