ハレゾラ
「ねえ? 翔平くん」
「何?」
「もう少しだけ一緒に……寝よ」
彼の顔が少しずつ明るさを増してくる。
「許してくれるの?」
私も彼の笑顔が一番好き。
「許すも許さないもないでしょ。私、気がついたの。いっぱい愛してもらって
嬉しかったって」
言えたっ! でも恥ずかしい……。彼に顔を見られないように横を向く。
でもすぐに彼が器用に私の顔を元に戻し、チュッと音をたててキスをした。
ほんの少し触れただけのキスなのに、私の心は彼の気持ちでいっぱいになって
しまった。
『泣いたカラスがもう笑った』ではないけれど、彼も幸せそうな笑顔をしてい
る。
良かった……。ちゃんと気持ちを伝えられて……。