ハレゾラ
朝食は別棟でとることになっていた。
二人で手をつないで言われた場所まで行くと、美味しそうな匂いが部屋中に立ち
込めていた。
「わあ~、朝から豪華だね」
色気より食い気のほうが勝っている私は、もう食べる気満々だ。
さっと席に座り箸を持った。
「咲さん、慌てない。まだ全部揃ってないよ」
「そう?」
そう言ったのと同時に襖が開き、女将さんが入ってきた。
「失礼致しま……あら、ごめんなさいね。はい、お味噌汁」
わちゃ~っ! 翔平くんの言ったとおりだ。カッコ悪い……。
「すみません。待ちきれなくて……」
「いいえ、全然かまいませんよ。さっ、ご飯よそいますね」