ハレゾラ
ありえない現実
車が故障し、急遽お泊りをすることになってしまったあの日から、私たちの
仲は急速に深まっていった。
平日こそ、お互いの都合やシフトの関係で会うことは稀だったが、休日はその
ぶんを取り返すかのように少しでも多くの時間を一緒に過ごすようにしていた。
そんなある日、彼からメールが届く。
『咲さん、ごめん。土曜日なんだけど、急に仕事の予定が入っちゃって……』
そうなんだ……。寂しいけど、仕事だったらしょうがない。
でも夜からだったら会えるかな……。そう思い、メールを返送した。
『仕事だったらしょうがないよ。頑張ってね。……ねえ、夜は会える?』
どんなに遅くなってもいい。一緒にいたかった。
いつものように色よい返事が帰ってくると思って、心がウキウキしていた。
しかし、そんな私に帰ってきたメールは、予想外のものだった。